マキャベリの「君主論」は1513年に書かれ、1532年に公刊された大変歴史の古いテキストです。「君主論」はその名の通り君主のあるべき態度や政策などを論じた、一種の「君主マニュアル」ですが、そこで述べられている人間心理は現代にも通じるところが多く、例えばビジネス書の分野などでは「管理職のあるべき姿をマキャベリに学ぶ」といった試みが数多くなされています。マキャベリの「君主論」は遥か昔のカビの生えたテキストではなく、現代にあってもなお説得力を保ちつづけるテキストなのです。


 しかし、マキャベリの君主論を現代に応用した書は、私の知る限りほとんどがビジネス書ばかりです。なるほど、確かにマキャベリをビジネスに応用すれば、社長業の参考にはなるでしょう。ですが、社長になってから君主論を学ぶのでは遅すぎるのです。社長になれるのはほんの一握りの人間だけであり、みなさんの子供が将来社長になれるかどうかは、その子の少年時代によって決まってしまうからです。少年期の学習や経験が、将来へどれほど大きな影響を与えるかは論じるまでもないでしょう。子供の頃から人に仕えることに馴れてしまった者は、大人になっても決して社長にはなれません。また逆に、子供の頃から人の上に君臨していた者は、大人になれば自然と社長になることができるのです。


 子育てに真剣に取り組んでいる保護者の方々は、もちろん少年期の学習がその子の将来にどれほど大きな影響を与えるかご存知だと思いますし、実際にそのための教育に余念がないとも思います。しかし残念ながら、世の中の多くの人々はこのような大局的な視点を持ち合わせず、ただ有名私立中学にさえ合格させれば、我が子が幸せな人生を歩んでくれると盲信しているのです。ですが、上にも述べた通り、それだけではその子は決して社長になることはできません。少年期に君主でなかったからです。


 ですから、本当に我が子を将来立派な社長にしたいと考えるのであれば、小学生の頃から君主論を学ばせ君主たるべき態度を実践させなければなりません。少なくとも、自分のクラスの中で覇道を唱え、君主として君臨する程度の力量がなければ、将来社長になることなど到底不可能です。小学校のクラス一つ制圧できないようでは、社会に出てから会社一つ切り盛りしていくなどできるはずがないからです。君主論は小学生の時にこそ読むべき書なのです。


 子供のうちから君主論を学ぶことの重要性をご理解頂けたでしょうか。しかし、先にも述べた通り、現在刊行されている君主論の解説書はほとんどがビジネス向けのものばかりであり、小学生向けに書かれた本は一冊もありません。そこで、無いならば作ってしまおう、と思い書き上げたのが、この「完全覇道マニュアル」です。本書は小学生の子供たちがクラスで覇権を握るための分かりやすい手引書です。子供たちは楽しみながら、クラスを制圧する方法を本書から学ぶことができるでしょう。保護者の方は、ぜひ子供と一緒に声を出して本書を読んであげてください。本書がみなさんのお子様の覇道の一助となれば幸いです。